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宮田秀明の「経営の設計学」下請けビジネスモデルからの脱却

下請けは、ある意味で経営者にとって気の休まるビジネスと言える。リスクが小さいからだ。

 しかし、下請け企業の利益は限定的だから、従業員の給料も低く抑えなければならない。下請けの仕事は内容が魅力的とは映らないため、優れた人材は集まらない。こうして技術力が低下して人材の劣化が進行していくと、その企業の未来は暗くなる。

日本の航空機産業も典型的な下請けビジネスを行っている。

 しかし、日本の航空機産業は、下請けビジネス中心であるにもかかわらず、優秀な学生が向かい続けていた。経営的に問題が大きくなっていっていた日産自動車の場合もそうだった。飛行機や自動車の世界には、給与をあまり気にしないマニア型の優秀な学生が向かい続けているのだ。

一番上の層にいるのはマイクロソフトやヤフーやグーグルである。ソフトウエアとそれを使ったITビジネスモデルを創造して世界を支配している。

顧客に一番近いのが一番上の層で、結果として大きな利益を得るし、部品、機器、ソフトウエアとビジネスモデルで構成される3層、4層のビジネス構造の支配者になれる。

 上層に位置するビジネスモデルを創造することは大変難しい。しかし、21世紀にはこれがイノベーションの重要部分を占める事例が多いので、挑戦しなければならないと思う。

 誰がこのようなビジネスモデルを設計開発し、ビジネス展開するかが問題である。

ピーター・ドラッカーさんは「ITはまだまだ上下水道の時代だ」と言っていたが、彼の予想したITを使った「今では全く想像できないITの活躍」は、例えば「ITと二次電池による新しい社会システムの創造」かもしれない。

そうなのだが、コンピューター化すると機械宇宙の藻屑と消え去っていくことになる。
Firefoxの気色悪いアイコンが示す通りです。