宮田秀明の「経営の設計学」人種や国の壁を越える「empathy(共感)」
しかし、このようなアドホックな活動の集合は全体最適を生み出さないことを証明したのが今度の金融危機である。私はこのようないい加減なビジネスをはびこらせないようにするためには、科学的論理性を高め、リスクを定量的に理解し、経済世界を正しくコントロールするべきだと書いてきた。
でも、もっと大切なのは、人種を越え、国境を越え、貧富を越え、人と人が思い合うことなのかもしれない。オバマが訴えているのはこのことかもしれないと思う。
住宅を買う低所得層の人々のためを本当に思って、顧客に愛情を持ってビジネスを行っていたら、サブプライムローン問題は起きただろうか、リスク管理の甘い証券化商品をバラまいただろうか。本当に顧客が大切だと思っていれば、日本の企業の数々の不祥事は発生しなかったのではないだろうか。
アドホックな世界から脱出するためには、科学的論理的な経営が不可欠だが、もっと大切なのは、人と人の尊敬関係、いたわり合うempathyを持つことだと思う。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20081127#1227747713(松下幸之助)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20081204#1228380577(風花舞)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20081128#1227821899(竹中平蔵)