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【グローバルインタビュー】オバマ政権の対中外交を占う オックスフォード大学のスティーブ・ツァング准教授(現代中国政治)

 「オバマ政権と中国の間における主要課題は経済だろう。オバマ政権は世界金融危機の解決策を模索するうえで、中国を協力的なパートナーであるとみたがっている。一方、中国はアメリカとの対話を通じ、懸命に金融危機の解決策を見つけようとしているという姿勢を見せたい。

 しかし、実際には中国は来年、米国や日本よりもはるかに深刻な景気後退に見舞われそうなことから、外国を助ける余裕はない。中国政府は国内問題の方に、はるかに集中するようになるだろう。
 中国政府は、共産党統治の正当性を維持するため、社会の安定と成長および国民生活の向上を常に求められている。膨大な数の人が仕事を失い、景気が後退している以上、共産党はそれらを最優先課題としなければならない。国内対策と米国への協力とどちらを選ぶかといえば、中国政府は国内対策を選ぶだろう」

 「あなたの言う通りだ。日本は何度も謝罪したし、中国共産党は、近現代史の特定の部分を利用することが、有効だと考えている。だからこそ、言葉が重要なのだ。外交として必要なことは、中国が日本をたたくために歴史問題を使う効果を失わせることだ。謝罪は正確かつ率直な言葉を使うことだ。あとから中国に「適切な謝罪ではなかった」と言わせないために」

 「土下座して謝罪する必要はない。あくまで政治ゲームだ。もし、日本が中国共産党の立場なら同じようにするだろう。安上がりに相手から譲歩を得られるからだ。しかし、実際のところ、必要なのは日中両国の真の協調だ。隣接して2つの強国が存在するといつも問題が起きる。しかし、その地理的な現実を変えられない以上、日本が協調関係をつくるため、先に行動を起こすべきだ」