【話の肖像画】始まった人間性経営学(2)元ソニー上席常務・天外伺朗さん
これからの企業経営は「合理性」から「人間性」に統一されていくというのが私の持論。大半の企業は軍隊のように一見、組織がしっかりしていても走行はムカデ競走のようにノロノロ。しかも自由や個性を奪ってしまう。そうした合理主義経営から新しいものは生まれにくい。その呪縛(じゅばく)から早く解放されるべきだと言っているのです。
トップの指示がなくても社員が主体的に働き、組織が活性化する経営方法。
老子は『道徳経』で「賢者は干渉しないでものごとを扱い、ことばを用いないで教えを浸透させる」と言ってます。その中で、最上の指導者は誰にも知られない。2番目は人々に親しまれほめられ、3番目は恐れられ、最下位の指導者は侮られると説いています。
司馬遼太郎も『坂の上の雲』で西郷隆盛や日露戦争の大山巌を例に、賢者が愚者を装うということは人間ができていないと難しいと指摘している。逆に劣等感や不安感が強い人ほど賢者を装い、会議などで大きな声で発言する。会議はシラケ、社員は萎縮(いしゅく)して誰も発言しなくなる。
権威や権力などで部下を威嚇する経営者に人はついていかない。徳がありながら、部下や現場を信頼して耳を傾け、最終責任は自らとる。だから社員はその信頼に応えるんです。
非常識経営の夜明け 燃える「フロー」型組織が奇跡を生む 人間性経営学シリーズ2
- 作者: 天外伺朗
- 出版社/メーカー: 講談社
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