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【日本人とこころ】清水俊二と日本語(上)字幕は翻訳にあらず

語学のできるのは大前提、それより日本語の方が大事でね

【日本人とこころ】清水俊二と日本語(下)最期まで端然と言葉探し

細部まで丁寧に表現した村上訳に対し、清水訳は語感を生かした印象が強い。

「チャンドラーの文章はいろんな含蓄があって難しい。逐語訳だと、意味のある文章にならない。行間に詰まっているものを体得しないと訳せないんです」

「男はタフでなければ生きられない。優しくなければ生きている資格がない」

 原文は「If I wasn’t hard,Iwouldn’t be alive.If I couldn’t ever be gentle,I wouldn’t deserve to be alive.」。

 清水は「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」と訳した。「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなにやさしくなれるの?」と尋ねる女に、マーロウが返す名セリフ。

「宣伝文句のようにぶっきらぼうに使ってはhardとgentleを対比させた、せっかくのニュアンスが失われる」

「正しい言葉が何かということに、常に格闘している人でした」