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【日曜経済講座】論説委員・岩崎慶市 的外れの議論だった郵政騒動

 かんぽの宿売却で鳩山氏が指摘した点は2つだ。オリックス不動産への79施設一括売却の価格が不動産価格に比べて法外に安いことと、売却手続きの不透明さである。後者については日本郵政側が改善策をとるが、前者の指摘は必ずしも当たっていない。

 そもそも郵政民営化の核心は、金融界と財政・金融のマクロ政策を歪(ゆが)めてきた市場メカニズムが働かない巨大郵貯という公的金融の改革にあった。それには規模縮小しかないわけで、民営化はその手段だった。

本来は規模を数分の1に縮小してから民営化すべきだったのだが、抵抗勢力の前にそれはかなわなかった。

そして、全銀協会長時代に急先鋒(せんぽう)の郵貯縮小論者だった西川氏も、トップに就任した途端、拡大論者に豹変(ひょうへん)したのだった。

 なぜ拡大戦略を取るのかは、郵便局会社の今年3月期決算をみるとよくわかる。

金融2社なしに立ちゆかないことだけは確かだ。

 あるべき姿は最大のATM(現金自動預払機)網を活用した決済機能へ特化することだろうが、これには人員を含めて規模の大幅縮小が伴う。全特や労組の諮問会議参加はそれを阻み、むしろ拡大戦略を増幅させよう。