- 作者: 上田篤
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: 単行本
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じっさい、明治の顕官たちが歌舞音曲にあけくれ、金殿玉楼で女たちとさんざめいていたのを、薩摩出身者たちは苦々しいおもいでながめていたのではなかったか? 西南戦争の発端も、案外、そういうところにあったのではないか?とさえおもわれるのである。
後年、維新の運動のなかで、西郷は咄嗟の判断をしいられる場面に数おおく遭遇した。しかし、かれはそのつど問題を的確に処理していった。
そういうことがたびかさなったので、むずかしい問題がおきるたびに人々は西郷のほうをながめるようになった。西郷の一言は、人々のあいだに万鈞(ばんきん)の重みをもったのである。
よく「明治維新は西郷一人がなしとげた」といわれるゆえんである。
京都精華大学:公開講座・イベント:特別公開講座:上田篤「西郷隆盛ラストサムライ」出版記念講演会
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20081117#1226880029