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【正論】比較文化史家、東京大学名誉教授・平川祐弘

相手を説得するためには、広く通用する標準語で話さねばならない。

 世界がグローバル社会化する21世紀、日本人が英語を習うのは、外国語を習うのではない。英語が世界の共通語だから、地球社会の市民として標準語を学ばざるを得ないのだ。

 日本が東アジア共同体と言い出すと、中国は中国語を共通語にしようと狙うだろうが、日本も韓国も中国語に特権的地位を与えはするまい。東アジアでも共通語は英語になるだろう。現にアセアン会議でも共通語は英語である。

 私見では、日本人が国際会議で英語で堂々とやれることが一番大切だ。それが植民地根性だとは思わない。植民地根性か否かは話の内容次第である。「日本人は日本語で堂々とやればいいじゃないか!」と叫ぶのは一見格好いいが、情緒的な発言に過ぎない。

 これからの地球社会を平和的に管制するためにも、私たちには(1)日本語、(2)世界共通語としての英語、(3)地域理解のためのそれとは別の外国語の三種の能力が求められるのである。