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政治的蜜月が必要な理由

 この連載記事の1面に掲載された部分では、「僕はイギリスが好きなんだ」と小沢幹事長が周辺に語っているという下りが出てくる。また菅直人副総理(経済財政担当相)も選挙前にイギリスに視察に行った。民主党は、政権交代にあたってイギリスを手本にしたようだが、具体的に何を学んできたのかは、新政権の「謎」を解くうえで重要だろう。

 ――政権交代を達成した政党の課題は何ですか。
 「選挙運動で訴えたことを実行に移すスピードだ。有権者が新政権の動向に大きな関心を持っているという勢いを重視すべきだろう。英国では1997年の総選挙でわれわれ労働党が保守党から政権を奪った。中央銀行であるイングランド銀行の金融政策面での独立強化、最低賃金の引き上げや地方分権の推進といった最重要政策のほとんどは政権発足直後に導入した」

 民主党は政権に就いたばかりなのに、なぜそう矢継ぎ早に改革を進めようとするのか。不思議に思っていたが、英国のこうした先例に従ったのかもしれない。

 ――ブレア政権はスピン(情報操作)政治を進めたと批判を受けました。
 「われわれはメディアの問題が深刻化することに気付くのが遅かったのかもしれない。英国で本当のスピン・ドクター(情報操作専門家)はジャーナリストの方だった。(政府の立場に否定的な考えを持つ)大手メディアのオーナーや給料をもらってその主張に沿った記事を書かされている記者たち、それに政治のネガティブな側面ばかり追おうとする文化があった」


 「ブレア政権の初期のメディア報道は中立的だったが、すぐに状況が変わった。だがメディアを敵にまわしながらも労働党が3期続けて政権を維持できているのは、人々の信頼が厚い証拠ではないか」


 スピン・ドクターと言われた人物が、メディアのほうこそスピン・ドクターだと言っているわけだ。

 しかし、政権交代によって起こる変化を好まない人は多い。メディアの最大の情報源のひとつである官僚はとくに新政権最大の「抵抗勢力」である。彼らを情報源にした記事は、バイアスがかかっている可能性がある。メディアは期せずして官僚の手先になってスピンドクターの役回りをしてしまう恐れがある。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091119#1258596340労働党
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091118#1258530145(彩佳☆)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091126#1259229887(田原)