悪党と決めつけた者に対しては、徹底的に捜査側の視点に立ち、のちに市民が立ち上がり冤罪の疑いが出てきてはじめて、被告側の心に思いを寄せる。メディアの悪弊というか、ほとんど病弊である。
しかし、7月17日の判決では、「岩手県選出の衆院議員との良好な関係を築こうとして平成9年頃から行ってきた寄付の一環」であって、「工事受注の見返りではない」と、明確に「天の声」が否定されている。
さて、次に大久保秘書の裁判だが、昨年12月18日に第1回公判、今年1月13日に第2回公判が行われた。
驚くべきなのは、この冒頭陳述でも、検察は再び「天の声」を持ち出し、公共工事の受注への見返りに政治献金を受けたかのごとき主張を繰り返したことだ。すでに西松側の判決で「天の声」が否定されているにもかかわらず、である。
そして、第2回目の公判では、さらに重要な証言が飛び出した。
西松建設の岡崎彰文・元総務部長が、同社OBを代表とする政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」について、「西松建設のダミーだとは思っていなかった」と証言したのである。
大久保氏の裁判の経過が、検察の思い通りに運んでいないことは明らかである。
そこで、起死回生の手段として、目をつけたのが小沢一郎の土地購入資金4億円だ。