「建物は神道の神社の施設にあたり、行われている祭事なども宗教的な行事で、一般の人の目から見て特定の宗教を援助していると評価されてもやむをえない」
そのうえで、施設を撤去する以外に憲法違反の状態を解消する方法を検討するべきだとして、札幌高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。
神社の多くは、戦後、国から土地の払い下げを受けましたが、そのまま国や自治体の土地に建っている神社も各地に残され、専門家によりますと、少なくとも1000か所はあるとみられるということです。政教分離をめぐって、最高裁が憲法違反だと判断したのは、愛媛県が靖国神社への玉ぐし料を公費から出したことをめぐる平成9年の判決以来で、2件目になります。
元中学教諭でクリスチャンの谷内栄さん(79)
2件の訴訟が審理され、(1)市有地を空知太(そらちぶと)神社の敷地として無償で使わせている(2)富平神社の敷地になっていた市有地を地元町内会に無償譲渡した−−ことが、それぞれ宗教団体のために公金を支出したり、特権を与えることを禁じた憲法の規定に違反するかどうかが争われた。1、2審判決は、空知太訴訟で違憲、富平訴訟で合憲の判断を示していた。
一方、富平神社をめぐる訴訟では、土地譲渡を合憲と判断し谷内さんの上告を棄却。原告の請求を棄却した1、2審判決が確定した。
平成19(行ツ)260 財産管理を怠る事実の違法確認請求事件 平成19(行ツ)334 財産管理を怠る事実の違法確認請求事件