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宮田秀明 今の日本に必要な「五つの国家戦略」

 国も企業も人も、永遠に山に登り続けなければならないと私は思っている。時々下山しなければならない局面に遭遇することもあるだろう。しかし、いつも新しい山を探し求めて発見し、改めて登り続けて、いつまでも進歩への努力を怠らないようにしなければならないのではないか。


 進歩のベクトルは、時代とともに変わるものだ。21世紀になってそのベクトルをどの方向に向けるかの暗中模索が続けられているのが現代の一番中心的な姿なのかもしれない。

 日本の教育の最大の弱点のもう一つは、社会人教育を行うシステムが貧弱なことである。日本の経営者教育は今でも、90%以上がOJT型だということができるかもしれない。しかし、変化の激しい21世紀になって、過去の経験ベースのOJTだけで経営者を養成するのは危険だと思う。たくさんのパラダイムシフトの荒波を乗り切るためには、過去の経験に学ぶような、失敗学的な経営教育には限界があると思う。改めて学習し、異業種の人々と切磋琢磨して成功させる力を養ってほしい。

 五つの戦略テーマのすべてを実現するために一番大切なのは、その戦略を実現するための様々なプロジェクトをプロデュースし、マネジメントを行う人材である。どんなにいいビジョンを持っても、どんなにいいプロジェクトの企画ができても、それをプロデュースしマネジメントを行い、成功へ導く人材がいなければならない。


 このような人材を育成する仕組みを作ることは実は最も重要な戦略だと思う。しかし、ほとんどの場合、このような人材が育つのは、困難なプロジェクトに挑戦し、苦労して成功させる経験からの場合が多い。