著書や対談の言葉から見えてくるのは、羽生は徹底した過程主義者であり、結果(勝負)よりも、明らかに過程のほうに関心が強いという点である。マイナスの事象を含め、出会うことすべてを楽しみ、そこから得られる知見を自己の財産として蓄積することに無上の喜びを感じる。
羽生はいう。「1回1回の対局は、未知の旅に出る、知らない何かを探しに出発する──私はそんなイメージを抱いて指している」「将棋は2人で指すものなので、相手との駆け引きの中で自分を表現していく。その意味では、相手は敵であると同時に作品の共同制作者であり、自分の個性を引き出してくれる人ともいえる」(『決断力』、角川書店)。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100705#1278329145
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