医学や工学など実学の世界では、実践は極めて大切なことなのだ。
東大で社会人教育を本格的に始めたのは、私が最初だと思う。だが、後が続かなかった。大学内での支援が集まらなかったのが第1の理由だった。私がおおらかな基準で履修生を選考して、社会人を東大の学生にしたことを問題視する声が多かった。教員の中には、「東大は開かれた大学ではない。高い塀に囲まれた大学で、塀を越えて入って来るためにはある程度以上の大きな障壁を越えて欲しい」と思っている教員は多い。こうした考えが、支援を止まらせることになったのだろう。
力のない人は周りに壁を築く。力のある人は周りに壁を築かない。強いからだ。
日本のGDPが20年間伸びず、閉塞感が漂っている。
原因は様々だ。 しかし、その多くはリーダーシップの欠如にあると思う。国のリーダーシップ、企業のリーダーシップ、大学のリーダーシップなどのすべてに問題があると思う。