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いま正義について考えることの意味

「日々の君の行いは正しいのか、正しくないのか」
 ハーバード大学教授のマイケル・サンデル(57)は問う。現代人が真剣に考えなくなった問いだ。
 サンデルがこの「Justice(正義)」と名づけた講義を始めたのは、30年前の1980年。同大の学生が哲学と道徳の問題に興味を持ち、政治に積極的にかかわる市民に育つように、という思いからだった。

 サンデル自身は大学1年生で政治哲学を専攻し、「全く意味がわからなかった」という。実際の政治とはほとんど疎遠にみえ、難解で、威圧的でさえあった。「自分が受けたい授業はこれではない」。それが後に「正義」講義をデザインするきっかけとなった。哲学者が考察し、記したことを、現代の日々の生活にある倫理的なジレンマに置き換えて学生に質問し、哲学者は「過去」に属するものではない、と訴える手法だ。

 サンデルは講義でも、著書『これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学』(早川書房刊)でも、あまり自らの意見を語らない。

「正義が存在する社会は、必ずしも国内総生産(GDP)が高い国ではない」

 サンデルにとって、健全な民主主義政治とは、道徳が生かされた政治ということになる。それが「正義」講義の原動力だ。

「私は、学生にGDPを超えたところにある『価値』について考えてほしい。日本でも、米国でも、欧州でも政治家や政党に対する欲求不満が募っているのは、私たちが真に大切だと思っている社会的な正義について話し合っていないからだ

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