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【民主党代表選・討論会詳報(1)】首相、国有財産の証券化「財源捻出の手段にならない」(10日午後)
【民主党代表選・討論会詳報(2)】小沢氏「円高、市場介入も辞さず」(10日午後)

 小沢氏「先ほど、市場介入も辞せずという腹構えを申しましたが、現実には各国が円高を容認するという状況の中では日本一国で市場介入ということをやっても、なかなか効果が上がらないということは事実だ。ただ、私は、今菅さんも断固たる処置という言葉をお話になりましたが、経済はかなりマインド的な要素が非常に強い面もありますので、私はその断固たる処置をとる。言い換えれば市場介入も辞せずということを強く政府として表明すべきではないかというふうに思っている」


 「それから日米、あるいはユーロ圏との話し合いですけれども、これは彼らの経済の悪化によっていわばドル安、ユーロ安によって、結果として円が高くなっているという要素が強いわけでございまして、その意味ではアメリカ経済、ヨーロッパ経済が立ち直ることが一つの円高の歯止めになると思います。ですからその意味で、ただ単に急激な円高が困る、困るという話では話し合いにならないのではないかと思いますんで、お互いの経済が成長できるようなそういう政策をお互いに協調しながらやっていくという話し合いに持っていかなくちゃいけないと思っている」

【民主党代表選・討論会詳報(3)】小沢氏「FTAを恐れず積極導入」10日午後

 小沢一郎前幹事長「世界の各国との関係で言えば、私は、先進国も発展途上国も、欧米もアジアの世界も、アジア地域もみんな同じだが、自由貿易協定(FTA)を積極的に私は結んでいくべきだと考えている。自由貿易で一番利益を得るのは、わが日本だと思っておる。従来、これができなかったのは、特に農業、漁業と1次産業が、それによって成り立たなくなってしまうというのが、最大の反対の理由だった。しかしながら、私どもは、そのことを考慮に入れながら、だからこそ、戸別所得補償制度を導入したわけだ。これを漁業にも適用していこうと今、しているが、このことによって、生産者の再生産をきちんと確保することができさえすれば、私は自由貿易協定は何も恐れる必要はない。積極的にわが国の発展のために取り入れていくべきだと思っている


 「今、菅さんがおっしゃったように、いろんなプラントの輸出で、まだ競争力あるのはある。また、インフラ整備でも競争力あるのがある。そういったものは大概、大企業だが、中小企業でも、さっきいったようなファッション文化的なものであるとか、あるいは、たとえば卑近な例で恐縮だが、岩手県産のリンゴも、『日本のリンゴなんか高くて食えない』という状況だったが、中国をはじめ、東南アジアの方に、生活のアップとともに、売れるようになった。そういったように、今まで、大企業でなければ生産性の高い企業でなければ輸出競争力がないというように、固定観念でみていたが、私はそうではないと。そういった工夫をし知恵をいかし、その相手先の状況をきちんと把握してやれば、中小零細企業でも十分、国内はもちろん、国外でも競争力をつけることができると考えている」

 小沢氏「基本的な考えとしては、日本からモノづくりをなくしてはいけないと思う。アメリカ経済は結局、モノづくりを軽んじて、マネーゲームに陥ったところに、今日の問題点が生じているわけだ。私はそういう意味で、日本の特に中小企業は、まさに技術の宝庫であると私は思っている。だから、このモノづくりの伝統と、さらなる新しい技術の開発には、全力で後押し、支援していかなくてはならないと思っている。また、福祉産業、あるいは、今、菅さんもおっしゃった環境産業も将来、大きな成長が見込まれる。その意味では、この分野は政府が長期にわたって、長期的視野で力を入れていかなくてはならない。そう思っている」


 「いずれにしても、いわゆる今日の不況、非常に厳しい状況なので、私はエコポイントの話であれ、あるいは耐震構造の強化の話であれ、ただちに予備費の執行。1兆円、そしてさらに債務負担を含めりゃ、2兆円の予備費が組み込まれている。私はこれを、直ちに執行すべきであると思っているし、秋口から暮れにかけて、景気の底割れが非常に懸念されている。財政の健全化ちゅうことはもちろん大事なことだが、当面の景気対策ということで、その2兆円でも、もし不足の場合は、私は国債を増発するということも念頭において、まず雇用。雇用を確保するには、景気をよくしなきゃいけない。だから、その意味で、景気対策に万全を期すべきだと考えている」

【民主党代表選・討論会詳報(4)】首相「年内の補正予算視野に」(10日午後)

 小沢氏「政治主導、地域主権はわれわれがマニフェストでも街頭でも、みんな言ってきたわれわれの主張の原点だ。従って、これを前提に初めていろいろな施策を実行できる。政治家が、国民の代表が自分の責任で、決断で実行するということだ。しかしながら、明治以来続いた官僚の力は無視できない。非常に厚い高い壁だ。しかし、力の源泉は何かというと、いわば国民から集めた税金と、それらに付随する権限だ。国家レベルで必要なものは国家レベルで使っていいが、地域の身の回りのことのお金については、単なる補助金だけでなく、いわゆる福祉の15兆円も含めて地方に渡すべきだ。それで初めて地域主権、政治主導の政治が実現できると考えている」


 「地域と財源の関係だが、ガソリン税で2兆円以上のものが地方のものとしてやられているが、現実にはその中で3000億円だけだ。市町村が自由に使えるのは。あと2兆円近いお金は、みんな地方のものという名目になっているが、結局直轄の地元負担としてまた召し上げられている。だから、これも含めて地方に直轄事業をやりたいところはそれを使えばいい。そうでないところに使いたい人は、そっちで使えばいい。それで初めて本当に地域主権、いわゆる『国民生活が第一』と。地域社会全般がレベルアップしないと、日本経済全体がレベルアップできない。今日の現状では地域社会はドンドン衰退している。そういう意味でも断固としてこれを実行すべきだと考えている」

 小沢氏「基本的に今主張してきたことと同じだが、現実に官僚が行政も国会も実質的には全部牛耳っている。国会の審議もほとんど答弁は官僚がしている。イギリス議会と同じように官僚が委員会に出て法案審議の答弁などをするのはやめようというのが私の年来の主張だ。これによって政治家はもちろんしんどいが、勉強して議論に堪えうるようになっていかなくちゃいけないのが1つ」


 「もう1つ、国会の機能は、議院内閣制の中だから、第1党の党首が首相になる。立法と行政と両方の権限を併せ持つような議院内閣制だが、国会自体の機能をもっと高める。官僚から政治家に取り戻すと同時に、国会がもっともっと行政のいろいろな情報を得られるようにしないと、議論はできない。国会に行政から情報提供の権限を持つような仕組みに改めなけりゃあいけないと思っている」


 「いずれにしてもイギリスでは、イギリスの例ばかり出して恐縮だが、一番の成熟した議会制民主主義国家としてたとえて言えば、官僚は国会の議論の場には一切出ないし、いろんな根回しと呼ばれるようなことも事実上禁止されている。あくまでも政治家同士の要望だったり、議論だ。国会も行政もやはり政治家同士でそれを行うことが政治主導の政治、国民主導の政治ということではないかと考えていて、今なおまだ実現されてはいないが、お互いの努力によってそういうような本来のあり方に改革していきたいと思っている」

【民主党代表選・討論会詳報(5)】小沢氏「海兵隊は前線にはいらない」(10日午後)

 小沢氏「それはもう、政党同士が、議員同士が議論し、コンセンサスが得られるなら、修正するのは当然だと思う。ただ、今言ったように、誤解されると困りますが、法案審議の本委員会については官僚が介在すべきではない。ただ、官僚であれ、その他の民間の方であれ、いろんな情報は提供はしてもらわないといけません。ですから、私はそれらの参考人的な形でもって、いろんな情報を知ると。そういう場は別な、委員会と呼ぶかは別にして、そういう場はきちんと設けなければならないだろう。そういうふうに考えている」

【民主党代表選・討論会詳報(6)】小沢氏「現政権のやり方では、国民主導の政治や地域主権は生まれない」10日午後

 小沢氏「根底には人間と人間のきずな、特に家族のきずな、そういうものが今日の日本社会の中で崩れ希薄になってきている。そこに高齢者がどこにいるか分からないとか、高齢者が1人だけで住んでいるとかの問題も起きてきている。だから私は人間社会の最小の単位である家族、伝統的な日本の家族は、プラスマイナスの意見もあるが、あまりにも家族のきずなが薄くなっていることが根底にある。やはり、人間同士のきずなを強めていこうというのが背景にあると思う。それを背景にしてNPO(民間非営利団体)とかNGO(非政府組織)とか活動している方がおられる。その活動を国が支援していくことは絶対必要だ。ただ、ボランティアという言葉も言われるが、無償の仕事の提供はできないわけで、きちんとした仕組みをつくって実際にかかった費用は公的に負担しながら、公共的な活動をしていただく仕組みを日本で作り上げることではないかと思っている」

 小沢氏「民主主義というのは主権者たる国民が自ら政権を選べるのが民主主義の最も大きな機能だと思う。ところが日本では半世紀以上にわたってほとんど自民党中心の政権が続いてきた、これは世界の先進国では日本がただ一国だ。その意味で、国民が先行きの生活や雇用の不安や、いろいろなことが実生活に大きな影響があったと思うが、勇気をもって自らの手で政権をつくると、勇気ある決断で民主党政権を選んだのだと思う。だから私は日本に本当の民主主義を定着させるためにも、民主党政権を国民の皆さんの期待に応えて成功させなければならないと考えている」


 「そして政権交代の選挙で一番、訴えたのは長い権力は必ず腐敗するとう菅さんの言葉も大きな要因だが、現象としては官僚に丸投げしていた、だから、これをかえなければならないというのが、われわれの主張だったと思う。これをかえることで国民の生活に目を向けた政策を実行できるというのがわれわれの主張の根幹をなしていたと思う。ではどうするか、霞が関が一手に握っている国民の税金と権限を本来の地域の皆さんに委ねる改革をして初めて地方主権の国家ができると思っている。今日の状況を見てみると菅首相以下、一生懸命ご苦労されていることは分かるが、肝心の予算編成の仕組みや経過を見ても一律1割削減のシーリング(概算要求基準)方式は、自民党政権で取られてきた同じやり方、同じ仕組みだ。こういうことの中から本当の国民主導の政治や地域主権は生まれない。だからこそ厚い官僚の壁を打ち破らなければならないと私は主張している」

【民主党代表選・討論会詳報(7)完】小沢氏「マニフェスト、100%実行できないところもあるかもしれない」(10日午後)

 小沢氏「自分が主張したいことは今の中で十分申し上げたと思う。私はマニフェストを国民との約束だと。しかしながら現実の政権で100%それが実行できないというところもあるかもしれない。しかし、約束したことは一生懸命全力で守るんだと。それを実行するんだという努力をする姿が私は尊いと思う。ですからそういう意味において、着実にできるところからやっていくというのが大切だし、その原点、初心に帰らなくてはならない。そして繰り返し申し上げるが、官僚主導の政治を打ち破るためには、そして今の統治の機構をかえるためにはまず第1に、国民の血税たる予算の配分の仕組みを今までのやり方から根本的にかえなければならないというのが私の主張だし、そこからわれわれの国民主導の政治というのが初めてスタートするのではないかと考えている。今まで申し上げたことの繰り返しになったが、ぜひとも私はその厚い官僚主導の壁を、官僚の壁を自ら先頭に立って打ち破って、本当に国民との約束をぜひ実現したいと考えている」