党内を真っ二つに割る巨大な「反主流派」が出現したことになる。
それにしても、一般世論に抗して200人もの国会議員がなぜ小沢氏に票を投じたか。
つまりは、このまま菅政権が存続しても、衆参ねじれ構造の前に早晩立ち往生して、「追い込まれ解散・総選挙」という事態がやってくることを予感したのではなかったか。
であるならば、菅首相に残された「打倒小沢作戦」としては、小沢氏なら着手したであろうことを逆手に取って、ねじれ解消のための「参院での多数派工作」を進める以外にない。
もっといえば、3役を一新した自民党の谷垣執行部との大胆な妥協工作だ。これが発展すれば、小沢氏の向こうを張った大連立となる。
多彩な議員の集まりが民主党の強みであり財産であると強調することで、「全員内閣」を印象付けようとしたのだろう。
だが、いま必要な「挙党態勢」とはどうにも次元が異なり、あまりに内向きだ。そこに政治的な「練度」の未熟さが透けて見える。菅首相が克服すべきものを象徴しているようでもあった。