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レアアース禁輸見越す 「影響は限定的」との見方

中国は7月に2010年の対日輸出枠を前年比4割減にする方針を決めたばかり。24日の中国人船長釈放の決定で対応に変化が起こる可能性も指摘されるが、このまま実質禁輸が続けば供給不安から、一段の価格高騰を引き起こす恐れがある。ただ、政府や産業界は輸出制限を強める中国からの調達が難しくなることを見越し、新たな調達先の確保や代替技術の開発などの手を打っており、「今後、中国の影響は小さくなる」との見方が強い。

 レアアースは自動車や家電製品、医療用機械など幅広く使われ、主要な素材に少量加えるだけで性能アップが図れるのが特徴。一般的なハイブリッド車の場合、1台当たりに約400グラム使われるとされる。世界の生産量は09年で約12万4千トンと推定され、生産の97%を中国が握る。

 当面、価格高騰が懸念されるが、「民間企業は在庫の積み増しや代替手段の確保に動いており、すぐに大きな影響は出ない」(経済産業省)見通し。大手商社によると「(民間企業は)1年程度は在庫を抱えている」もようだ。


 日本以外への輸出は継続しているため「当面は別の国を経由して輸入する方法もある」(政府関係者)。実際、大手精密機械メーカー幹部も「レアアースが物理的に日本に来なくても影響は大きくない」と話す。


 また生産量でこそ中国が97%を占めるが、埋蔵量は3割超にすぎない。このため日本政府は(1)新規調達先の確保(2)リサイクル(3)代替技術・材料の開発(4)備蓄−の対応を進めている。
 新規調達先では、ベトナム豊田通商双日が権益を獲得し、12年から生産を開始する。カザフスタンでは住友商事が現地の公社とウラン鉱石の残りかすからレアアースを回収する事業を11年にも始める。


 代替技術の開発も急ピッチだ。立命館大学の谷泰弘教授らは8日、レアアースのひとつで液晶テレビのガラス基板の研磨材に使われるセリウムの代替技術を開発した。谷教授は「1年以内の実用化を目指す。セリウムの国内使用の半分以上は代替技術に置き換えられる」と話している。