https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

末期症状化する反中言論の病理 - 矢吹晋による前原誠司更迭

昨夜(10/31)のNHKの7時のニュースでは、相変わらずハノイの会談中止の原因を「中国の国内事情」で説明し、党内強硬派や反日デモを指導部が恐れた結果だと理由をこじつけていた。「嘘も百回言えば真実になる」というゲッベルスの言葉があるが、国内のマスコミ報道は、この見方でしか日中問題を説明せず、他の見解は一つも登場しないので、国内ではこのストーリーが常識にならざるを得ない。

NHKのニュースでは、直嶋正行長妻昭を登場させ、「中国の国内事情があるから難しいんだろう」と言わせていた。手の込んだプロパガンダをやっている。この情宣政治の指揮官は仙谷由人だ。

最初に枝野幸男が岡山で記者会見をする。10/31の午後2時半に時事が発信していて、Yahooのトップにヘッドラインが出ていた。この発言は、時事も産経も毎日も一斉に記事にしている。つまり、予め報道各社に連絡しておいて、取材記者を岡山の会見場に集め、そこから記事を配信させているわけだ。

この3人に共通するのは、政府の現閣僚ではない身分の点である。

このようなコメント人選をわざわざNHKが作為するはずがない。仙谷由人の仕業だ。まさに大本営報道。

枝野幸男に問い返したいが、それなら、次に中国漁船が尖閣周辺の領海内に侵入した場合は、また海保が船長を逮捕して勾留尋問に及ぶのだろうか。また沖縄地検が捜査で総合的な判断をして釈放処分するのだろうか。同じ事を粛々と繰り返すのだろうか。それとも、今度は船長を起訴して有罪にし、懲役刑で服役させるのだろうか。そのとき、中国側がどう出るか予測でき、国益を損失させることなく無難に問題解決する自信が枝野幸男にあるのだろうか。

領土問題だから、中国の論理では、そこから先は軍事的手段しかない。中国は、インドとの領土問題でも軍事衝突しているし、ソ連との国境紛争でも大規模な戦火を交えている。

米国にとってリスクが大きすぎ、尖閣紛争ごときで中国と戦争状態には入れない。安保ではなく外交に出て、日中間の調停に入り、東シナ海の勢力圏を分割する境界線を引くだろう。その境界線の西側にガス田を入れ、中国を満足させる妥協で暫定処理し、属国である日本側に損を被らせる裁定で決着を図るのである。

反中イデオローグの権威の矢吹晋でも、前原誠司の挑発外交には強い口調で批判を加え、外相を取り替えないと日中首脳会談は実現できないと口走っている。

ところが、テレビ報道を中心に中国批判と前原擁護へと猛烈な巻き返しが起き、週末を挟んだ今日(11/1)は、前原批判は国内の言論から完全に蒸発してしまっている。

本当なら、田中宇のような議論が一方で立ち、前原誠司を支持する多数派と論争をするのが正常な言論の姿なのだろうが、そうした論者がビジブルにならない。反中一色で、憲法改正核武装ばかりだ。枝野幸男に至っては、中国での商売は控えろと企業に説教する始末。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20101018#1287363500