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格差是正に目配り ロールズ「正義論」が30年ぶり新訳

 『正義論』は71年に発表されたロールズの代表的著作。79年、経済思想史が専門の矢島鈞次監訳で邦訳が出たが、専門用語の訳語が定まっていない時期の出版だったこともあり、新訳が待たれていた。

ロールズは、「幸福や利益が、人生や社会の最大の目的」と考える功利主義を批判し、「社会や国家は、構成する個人相互の間の自由意思に基づく契約によって成り立つ」とする社会契約説から正義を考えた。

 「ゲーム理論など社会科学の理論を使い、ロックやルソーらの社会契約説をバージョンアップしながら考えた。

 一方、講義のテレビ放送などで今年、「正義」への関心を高めたサンデル教授は『正義論』批判で知られる。ロールズの議論には、「人々がこれなら一緒に求めていけるという『共通善』はなく、正義を個人が幸福を追求する際の妥協点にしてしまっていると指摘した」という。