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小峰隆夫 地域イノベーションに有効―ソーシャル・キャピタルと地域(下)

 信頼、規範、ネットワークといったソーシャル・キャピタルが地域をはじめとして多くの側面で重要な役割を果たしているだろうということは直感的にも理解できる。

 問題は、それがどんな面で、どのようなメカニズムで作用し、それを政策的にどのように生かしていくかであり、それをいかに実証的に示すかが研究テーマとなる。

 ソーシャル・キャピタルを分析的に扱う時の大問題は、データが乏しいことだ。元々ソーシャル・キャピタルは「信頼」「ネットワーク」など計測が難しいものを対象としているわけだから当然である。

 ソーシャル・キャピタルの水準が高いことは直感的にも地域経済にプラスに作用することが考えられる。信頼関係が強ければ、いちいちすべてのケースを網羅した契約を結ばないで済むし、想定外のことが起きても相互信頼で円滑に解決できるだろう。人と人とのネットワークがあれば、暗黙知に属する情報の流通も円滑になるだろう。ソーシャル・キャピタルが「取引コスト」「情報入手コスト」を小さくするのである。

 地域の活性化との関係で最近特に注目されているのが、地域イノベーションとの関係である。近年、多くの地域が、産官学が連携して生み出すイノベーションを核として地域活性化を図ろうとしている。いわゆる「クラスターの形成」である。この地域イノベーションソーシャル・キャピタルが有効に作用しているという知見が得られている。

 ソーシャル・キャピタルは経済的にも社会的にも地域と密接に関係しているのである。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20110227#1298814263
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20110225#1298606558