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過剰流動性相場の色強まる、底堅い株価と上がらない金利が同居

底堅い景気のバックグラウンドとなっているのが超低金利」(マネックス証券のチーフ・エコノミストの村上尚己氏)だ。景気が回復すれば、金利は上昇するのがノーマルな経済の姿だが、超低金利政策が「無理やり」押さえつけている。1月24─25日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明では、始まったばかりの今年だけでなく、来年を越えてさらにその翌年の2014年終盤まで約3年近く、異例の低金利水準を維持する方針を示した。その「信憑性」はともかく、米債券市場の中期ゾーンは一段と低下した。日銀も金融緩和政策を当面、維持するとの見方が市場のコンセンサスであり、円高対応の追加緩和策を期待する声も多い。


金利をもたらす過剰な流動性が、マーケットのリスクオフムードを後退させ、株式や債券などの市場にマネーが回りやすくなっている。「1月後半の株価リバウンド局面に乗れなかった投資家が運用しなければならない資金を回している」(国内投信)という。

金利をもたらし、景気を下支え株価を押し上げる──現時点では良いことばかりの超金融緩和政策だが、昨年6月に終了した米国の量的緩和第2弾(QE2)が実施されていた間は、マネーがコモディティ市場などに流れ込みインフレを引き起こしたとの見方が多い。


超低金利を続けながら、インフレを高進させないために重要なのが財政規律の維持だ。財政が緩むと市場が不安視すれば、中央銀行がいくら国債を購入しても追い付かず、むしろ不安をあおることになりかねない。


日銀の山口広秀副総裁が財政規律の維持を強く求めたことが注目を集めた。2日、高松市内の講演で、名目国内総生産(GDP)比で200%を超える政府債務残高という先進国で「最悪」の財政状況の中で、国債金利が低位安定して推移することを「やや不可思議」と指摘。「何らかのきっかけで国債市場の信認が一気に崩れるリスクは排除できない」としたうえで「市場からの信認が失われる前に、歳出・歳入の両面での構造改革を進めていく必要がある」と強調した。


金融当局者から財政政策に関する発言が出るのはそれほど珍しいことではないが、ソブリン問題が小康状態となり、金利が低水準で推移するなかでの強い口調に、耳を傾けた市場関係者も多かった。

一方で、積極的な財政支出で高い経済成長がもたらされれば、税収が増加し、財政赤字は拡大しないという意見もある。ただそこに必要なのは高い経済成長であり、財政支出ではない。明確な「成長戦略」がないまま、カネがばらまかれ、一向に成長しないまま国の債務だけが膨れ上がっていく日本の「失われた20年」のようになることをマーケット参加者は恐れている。