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『保守政権の担い手』
P468

父の大きさを知ったのは、人様に頭を下げ、心と心を結ばなければ世に出られない政治家になってからである。役人は権力の座にあり、椅子にデンと座り、判をついている時は大きく見える。しかし、辞めて街の中を歩いている時は実に貧弱に映る。特に後ろ姿はそうである。
 材木商の父は、人の扱いも思いやりも私の知らない奥深いものを持っていた。その心のつながりで商売が成り立ち、発展していったのである。「市井の人」の偉大さ、そのことが分からなかった。父の後ろ姿には厳然としたものがあった。

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