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タカラヅカ・スカイ・ステージ:二人の貴公子(’09年月組・バウ・千秋楽)
『二人の貴公子』 | 月組 | 宝塚バウホール | 宝塚歌劇 | 公式HP


太陽の貴公子、月の貴公子 宝塚月組『二人の貴公子』

 タカラヅカの重要な萌えポイントのひとつに、「イケメンスターの2人並び」がある。
 トップと2番手男役が、親友としてライバルとして並び立つとき、あるいはショーで妖しく踊るとき、ファンは萌えるのだ。

 パラモン(龍真咲)は、常にまっすぐ前を向き、心のままに行動する情熱的な男性だ。
 対するアーサイト(明日海りお)にはパラモンの持つ、迷いなき輝きはない。その代わりに、深い思慮分別があった。

 一転して激しく争う2人に対して、アテネのテーセウス王(萬あきら)が下した審判は厳しいものだった。
「2人はこれから1年間、世界を旅して、おのおの100人の騎士を集めよ。そして、1年後の同じ日にここに戻り、決闘をするのだ。決闘の勝者には月桂樹の王冠とエミーリア姫が与えられる。敗者は、首を失う」


 どちらかを選べば、どちらかが命を失う……。悲嘆にくれるエミーリア姫に、不思議な神託が下る。「ふたりの貴公子の願いは、ともに叶えられるだろう」と。

 そして1年後。闘いを明日に控えた夜。
 パラモンはエミーリア姫に「私の望みは、ただ『愛』のみ。親友を得て、愛する女性のために命を賭けて闘えた。もう思い残すことはない」と告げる。エミーリア姫もまた「私を最も望んでくださる方に、私が与えられますように」と祈る。
 少ない言葉のなかに、万感の想いを込め合う2人、そして、この様子を垣間見てしまうアーサイトはある決心をする。

二人の貴公子でW主演 宝塚月組・龍真咲&明日海りお

── ダブル主演ということに関してはいかがですか?


龍 ダブルで主役をさせていただく意味というのはすごくあるのではないかと思っています。みりお(明日海)とはこれまでも新人公演で一緒にやってきた仲だし、波長がとても合うんです。だから自分も頑張るうえで、みりおにも「私の中の何かを引き出してくれるのじゃないか?」っていう期待があります。これから稽古に入るのですが、それが一番の楽しみですね。


明日海 新人公演を龍さんとさせていただいている頃から、お稽古にのぞまれる姿勢をいつも見ていて、その後をずっと付いていっていました。今回は久しぶりに“男役同士”で組んでお芝居が出来るのが楽しみです。


龍 ジャッキーは女役だったので、2人とも男役としてお芝居を一緒にやるのは久しぶりだものね。


明日海 そうなんですよね。


龍 2人ともタイプが全然違うので、ダブル主演でその違いも楽しんでいただければいいなと思います。

── 2月8日まで東京宝塚劇場で上演されていた公演では、ショー『アパショナード!!』の「カリエンテ」の場面で、マチョ(男役/龍)とエンブラ(女役/明日海)として夫婦を演じていて息もぴったりでしたね。


龍 でも、お芝居と違って、(役について)あえて2人で話し合ったりとかはなかったんですよ。ショーで組むときは、ダンスで表現しないといけないので、感覚から入っていきました。


明日海 流れている曲もすごく素敵でしたし、その場面の出演者全員で1つのシーンを作り上げていくので、細かく決めてしまうよりは、曲と踊りに皆でどうまとまって乗っていくか?というのが大事なんです。


── そのあたりは、はっきり言葉にしなくても分かり合える?


龍 舞台は個人プレーではないので、今回のようなカップルの役だったらお互いを感じて、言葉より実践を積み重ねていくことで、分かる部分というのも大きいです。


明日海 やっぱり経験の積み重ねですよね。

── お2人は月組トップの瀬奈じゅんさんの役を、新人公演で何度か演じていますが、瀬奈さんはどういう存在ですか。


龍 私はあさこさん(瀬奈)が月組に組替えでいらした今から5年くらい前から、舞台人としての自分の殻がバーッと取れた気がします。宝塚の男役として素敵な方だし、私もだんだん上級生になってきて、学ぶべきところがたくさんあるなと思いながら見ています。


明日海 あさこさんは、舞台上の型については細かく教えてくださるんですけど、役を作るという部分では、「好きなように、自由にやってかまわないから」と言ってくださいますよね。


龍 人それぞれのやり方があるから、下級生のそんな部分も尊重して、良い部分を引っ張り出してくださるというか。


明日海 とにかく「楽しんで演じてね」と言ってくださるので、自分の中で凝り固まっている緊張とか、プレッシャーとか、そういうものを解きほぐしてくださるんです。


龍 そういう風に言っていただけると、下級生の自分でも認められたようで、本当に安心するよね。


明日海 はい。頑張ってやったら、やっただけあさこさんも喜んでくださるので、それがすごく嬉しいんですよ。

── かなり細かい目配りをしてくれるんですね。


龍 でも主演男役という立場はお忙しいし、やっぱり常にこちらから頑張って聞いていかないといけないと思っています。あさこさんが見てくださるからといってそれに甘えるのではなく、こちらからどんどん「学んでいこう!」という姿勢をもたないといけないなって。


明日海 『アパショナード!!』と併演していたお芝居の『夢の浮橋』でも、龍さんが道定役、私は五の宮役で、それぞれあさこさん(匂宮役)とお芝居をさせていただくシーンがあったんですが、それまで培われていらしたものを直接感じられたのが嬉しかったですね。先ほど話したショーの「カリエンテ」も、あさこさんとご一緒させていただいたシーンだったので、そういう“感覚”を実際に感じる経験が何よりも貴重だなと思っています。