【movie,or not movie】現実と虚構の境界線を無くす醍醐味 篠山輝信
映画「塀の中のジュリアス・シーザー」
イタリアの郊外にある刑務所では毎年、演劇実習が行われている。その年の演目はシェークスピアの「ジュリアス・シーザー」。オーディションを受け、役をもらった囚人たちは稽古を繰り返し、そうして迎えた本番では観客の拍手喝采。
囚人たちの人生の苦悩は、役の人生の苦悩と重なっていく。囚人たちのことをいちいち説明しなくても、ジュリアス・シーザーというドラマがそのまま囚人たちの人生を語っているかのような不思議な体験。
そして芝居の役を通して囚人たちが自分自身をみつめたように、僕はこの映画を見て自分自身をみつめた。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20071226#1199092732
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20120502#1335968776