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大相撲:大鵬の“故郷”二所ノ関部屋消滅「一門の力で再興して」

 汗と涙、そして数々の思い出が詰まった故郷がなくなることに、人一倍心を痛めている人がいた。この日、納谷氏は東京都江東区の自宅で、自らが育った二所ノ関部屋の消滅について、重たい口を開いた。「いろいろな方々で築いてきたものがなくなるのだから、わびしいし、寂しい。二所ノ関一門の力で何とか再興してほしい」。その表情は悲痛だった。


 納谷氏は元大関佐賀ノ花の弟子として北海道から上京。56年9月の秋場所初土俵を踏み、71年夏場所で現役引退するまで二所ノ関部屋で鍛錬を積み、一時代を築いた。「(部屋で)いろんな苦労もしたし、相当な稽古もしたからね」と述懐するとやり切れない気持ちで声を絞り出した。「時代の流れと言ってしまえばそれまでだが、そうとも言い切れないものがある。人生いろいろあるが、何とも言えない思いだ」。