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【BBL特集2】ジュリアン・ファブロー インタビュー

──伝説の傑作といわれる『ライト』ですが、この作品の魅力について教えてください。
 『ライト』は、複数の登場人物の人生をパラレルに織り上げた、とても美しい物語です。同時に展開する複数の筋が、7色の衣裳を着たダンサーが象徴する虹によって結びついていますが、主な舞台は芸術の庇護者、芸術家、聖者の世界であるヴェネツィアです。作品の主題は、誕生そして光が象徴している純粋さ。このバレエのためのモーリスの音楽のチョイスは、驚くほど見事です。

──ファヴローさんが踊っている"貧しき者"とは、どんな人物なのでしょうか。
『ライト』の重要人物たちに、普遍的な性格を与えたいとモーリスは望んでいました。"貧しき者"は、実は、貧困の誓いを立て、自分の所有する僅かものすら他者に分け与えていたアッシジの聖フランチェスコです。彼は光、つまりカティア(カテリーナ・シャルキナ)が踊る"ライト"を求めています。ライトに出会うことに成功し、彼の人生は変容します。作品の終盤には7人の男性ダンサーの中心で踊るシーンがあるのですが、私たちは回教の修道僧のように旋回し、トランス状態になります。ニルヴァーナ(涅槃)に到達しようとするかのように。ダンサーにとっては大変ですが、このバレエには真のポエジーとエモーションがあります。

 モーリス・ベジャールの振付作品に敬意を持っていますが、私たちは必ずしも当時のダンサーたちと同じには踊りません。モーリスは常に、私たちに再解釈の自由を与えてくれていましたし、私たちの新解釈が作品を現代に適応させていくのです。

私たちにとって大切なのは、モーリスのあらゆる傾向の振付をお見せすること、若い世代に彼の仕事を発見してもらうこと、そして彼のメッセージと哲学を尊重し、それをできる限り多くの人に示すことなのです。

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