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円安でも潜在成長率高まらず=最後の講演で白川日銀総裁

白川総裁は、円安局面でも潜在成長率は高まらず多くの国民は単なる物価上昇を望んでいないと指摘し、緩やかなインフレを意図的に起こそうとするリフレ派の主張を改めてけん制した。

白川総裁は「実質GDP(国内総生産)の水準を持続可能なかたちで高めることがマクロ経済政策の重要な目標」と指摘。「景気が改善し需給がひっ迫することによって物価は上昇し、その逆ではない」「多くの国民は単に物価だけが上がることを望んでいる訳ではない」とし、拙速な金融緩和による物価上昇による実質所得の低下などの副作用を懸念した。


過去15年間にたびたび訪れた「円安局面でも潜在成長率は上昇しなかった」と指摘。「経済成長を実現するには新陳代謝が必要」だが、「米国に比べ、日本の時価総額上位企業は伝統企業が多い」とした。一方「リーマン・ショック以降の株価をみると相対的に小規模な企業が健闘」していると指摘した。


また「ひとつの問題への対応に全力を挙げている時に、新たな問題や予想外の危機の種が蒔かれていたという例には事欠かない」と述べ、デフレ脱却のため新日銀が進めるとみられる大胆な金融緩和が新たなバブルを誘発する可能性について暗に懸念を示した。