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【話題の焦点】101歳で大往生 灘高“伝説”の国語教師は何がすごかったのか ゲンダイネット

 国語の教科書を使わず、中勘助の小説「銀の匙」1冊を3年間かけて読み込む独特の授業で知られたが、私立校では教科書を使わない教師は珍しくない。橋本氏の授業は何が違ったのか。


 灘の卒業生のひとりがこう話す。


「橋本先生の授業に受験対策は一切ない。“HOW TO”ではなく、“WHY”をとことん追究する授業でした。例えば、『銀の匙』にたこ揚げのシーンが出てきたら、実際にたこを作って揚げてみる。寿司屋が出てくれば、寿司の成り立ちや歴史を調べ、678ある魚偏の漢字をすべて調べるなど、どんどん脇道にそれるんですわ。ひとつの正解を押し付けるのではなく、考える過程を大事にしていたのと違いますか」


 橋本氏の口癖は「すぐ役に立つことは、すぐに役立たなくなる」だったという。「国語は学ぶ力の背骨」とも話していた。他の教科の理解力も、社会に出てからのコミュニケーション能力も、基本は国語力。その背骨がしっかりしていれば、どんな環境にも対応できるという意味だ。


 灘では1教科をひとりの教師が6年間担当する中高一貫教育を行っている。橋本氏が「銀の匙」を授業に使い始めた1950年入学組の生徒は6年後、東大に15人が合格。前年はゼロだったから大躍進だ。その6年後には39人が合格。さらに6年後の68年には132人が合格し、私立校で初めて東大合格者数が全国1位になった。「伝説」といわれるゆえんである。