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アングル:中国が目指す改革、製造業の拠点広東省で試される | Reuters

中国政府は経済・社会改革で、輸出主導型の経済を内需型にシフトさせることを目指す。同時に、地方政府や国有企業は、既得権益の一部を手放すことが求められる。政府が推し進めようとしている改革は、中国のどの地域よりも広東省で試されることになるだろう。


世界の工場ともいわれるこの地域には、電化製品から靴、家具、衣料品などさまざまな製品の各国製造拠点があり、域内の生産は国内全体の1割、輸出は約25%を占める。昨年の広東省の生産総額は約9350億ドルで、周辺のアジア諸国と比較しても、韓国は下回るものの、インドネシアを上回る規模だ。

中国は15日、共産党第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)が承認した決定内容の詳細を公表した。60項目から成る決定内容には、市場開放、戸籍・土地制度の改革、一人っ子政策の緩和などが含まれる。


広東省のZhuXiaodan知事は、国際標準を確保し法に基づく国際的なビジネス環境を整えるためには、改革を深化させ、政府機能を変革させる必要があるとの認識を示し「輸出主導の発展を今後も追い求めることはできない」と述べた。

広東省がどの分野に焦点を当てて改革を行うかは明らかでないが、Guangzhou Academy of SocialSciencesの研究員、PengPeng氏は、税・債務管理の改革、自由貿易圏の法改正、農民のための土地取引市場の整備、出稼ぎ労働者のための戸籍制度改革などが主な改革分野になると指摘する。


同氏はYangcheng EveningNews紙の論説で「広東省に定住する農民は、都市部の戸籍制度や社会保障制度に組み入れられる必要がある」と指摘している。

いかなる改革を行う場合でも、それに伴う地方政府の負担を慎重に見極める必要がある。広東省はインフラ整備事業のための資金を資本市場から調達することが可能だ。ただ、1億人の人口の社会保障負担が急増したり、土地改革により土地売却収入が落ち込んだりした場合、既に高水準の地方政府債務がさらに膨らむ可能性がある。


工場ストや政府の土地購入に対する反発、都市部と農村部の格差などの問題を抱えるこの地域で改革を推し進めるためには、社会的緊張を高めないために政府はある程度の譲歩を迫られるだろう。


中国の著名エコノミスト、WuJinglian氏はCaixin誌とのインタビューで「地方政府が農民の不動産権利を拡大したら、債務危機に直面するかもしれない。地方政府はどのように債務を支払い、将来の歳入を確保するのだろうか」と指摘。「地方政府が障害を乗り越えるのを手助けし、現実的な問題の解決を支援する方法をみつけなければならない」との見方を示した。