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塾長雑感 第220回 政治と司法

最高裁判事の人事権が内閣にあるからです。
人事は究極の組織統制手段です。最高裁は人事に関する要望を内閣に聞いてもらうためには、あまり露骨に政府を刺激するような判決を書くことができません。
いや、もちろん書くことはできるのですが、報復が怖くて書けないということでしょうか。

内閣や大統領という行政府が最高裁判事の人事権を通じて、最高裁判例をもコントロールしようとすることは、三権分立の下での制度としては自然のことです。
裁判所には違憲審査権を与えるが、判事の人事権は内閣に与えることによって、政治部門と司法部門という権力が暴走しないように相互に抑制均衡を保たせるのです。

では、司法は政治の言いなりなのか、憲法の番人としての役割はどこにいったということになります。
制度としては確かに最高裁が内閣の人事権を恐れるということはあるのですが、裁判官個人としては、その身分が保障され、司法権の独立が確保されています。
裁判官一人一人が、何が憲法の要求なのかに真正面から向き合って、憲法と法律にのみ従うという法律家の原点を忘れなければ、体勢においてはよい方向に向かうと私は楽観しています。
要するに裁判官一人一人の志の高さなのです。

制度は所詮、制度です。それを具体的に運用するのはあくまでも個人なのです。

最後は一人一人の法律家の覚悟の問題です。

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