アメリカ政府高官によりますと、バイデン副大統領は人民大会堂で習主席と夕食会を含めて合わせて5時間半にわたって会談し、この中で、中国が防空識別圏を設定した問題について、バイデン副大統領は「アメリカは、中国が主張する防空識別圏を認めず、深く懸念している。中国が緊張を和らげるために行動することを期待する」と述べました。
具体的には、中国当局が指示に従わない場合、武力による緊急措置をとるとしていることを撤回し、誤算による衝突を避けるため、日本をはじめ近隣諸国と意思疎通するルートを作るよう求めました。
アメリカ政府高官は、「習主席は、副大統領の話に理解を示していた。今後、数日から数週間以内に中国がどのような対応をとるのか注視したい」と述べ、中国側の姿勢に変化が表れることに期待を示しました。
アメリカ国務省のハーフ副報道官は4日の記者会見で、「中国が発表した防空識別圏は認めない」と述べ、中国の防衛識別圏を受け入れない立場を改めて強調しました。
そのうえで、「フライトプラン=飛行計画書の提出を義務づけたことは、ICAO=国際民間航空機関の定めた手続きの範囲を大きく逸脱しているうえ、指示に従わない場合、武力による緊急措置をとるとする警告は挑発的だ」と述べ、中国が発表したすべての運用上の手続きや要求を撤回するよう求めました。
米中会談は5時間半、防空圏「認めない」と副大統領、「日中ホットライン確立を」 - MSN産経ニュース
バイデン副大統領は、日本政府が主張していた防空圏そのものの「撤回」には言及せず、周辺各国が懸念しているとして、緊張を低減させ、危機を誘発する行動を避ける措置を執るよう期待すると表明した。
日中間の「連絡経路の確立」は、ホットラインの設置とみられる。
東・南シナ海問題での米側の言及に対し、習主席は中国の原則的な立場を表明した。米政府高官は「習主席はバイデン副大統領の意見表明を理解した。(どう対処するかは)中国次第だ。今後、どのような進展があるか見守る」との認識を示している。
Biden says China's airspace zone has caused apprehension | Reuters
Biden calls for trust with China amid airspace dispute | Reuters