スイスで行われているシリアの和平に向けた協議は3日目に入った27日、最大の焦点である政権の移行について、初めて話し合いが行われました。
この中で、アサド政権側はみずからの立場を文書で示し、「シリアの将来は選挙によって決めるべきだ」としてアサド大統領の退陣を前提とした政権移行という反政府勢力側の要求には応じないと強調しました。
これに対して反政府勢力側は、サフィ報道官が記者団に対し、「政権移行という協議の趣旨から逃げている」と批判するなど、アサド大統領の処遇を巡って、双方の立場の隔たりが大きく、進展は見られていません。
仲介に当たる国連のブラヒミ特使は記者会見で、協議が難航していることを認めたうえで、「両者は協議を続ける意志は示している」と述べ、粘り強く双方に働きかけていく考えを示しました。
一方、前日に双方が合意した、戦闘地域に取り残された住民への支援物資の搬入などについては、調整に時間がかかって実現しておらず、信頼醸成に向けた措置も現時点では成果は見られません。