ロシア:強硬路線のプーチン大統領…支持率上昇80% - 毎日新聞
ロシアでプーチン大統領の「大国路線」を成功とみる国民の比率が5割まで増加したことが18日、独立系世論調査機関「レバダセンター」が公表した3月下旬実施の世論調査で分かった。大統領の支持率も80%に達した。ウクライナ南部クリミア半島の編入や同国東部国境付近への軍部隊派遣など、プーチン政権の強硬路線は国民の高い支持が原動力となっている。ただ、経済成長を重視する割合も高く、一定の歯止めとなっている可能性はある。
調査は3月21〜24日、全国130カ所で実施され、18歳以上の1603人が回答した。プーチン氏の事績を複数回答が可能な方式で尋ねた結果、「ロシアを尊敬される大国の地位に戻すことに成功した」とする回答割合が昨年2月の36%から15ポイント増加した。大統領の支持率も今年2月から11ポイントも急増し80%に達した。プーチン氏の支持率は、グルジアに軍事介入した08年8月の翌月に88%と最高値を記録したが、今回はそれにせまる勢いだ。
ただ、「現在、プーチン氏が集中すべき課題」には「経済成長」と答える人の割合が最も多く、1年前の53%から62%まで増加。ロシア政府がウクライナ東部への軍事侵攻など更なる強硬策をとった場合、欧米の厳しい経済制裁は不可避で、こうした国民意識はプーチン氏の判断に影響を与えるとみられる。
プーチン氏は17日、国民との対話番組の中で、ウクライナ東部・南部について「ソ連政府によってウクライナへ割譲された」と帝政ロシア領だった歴史的経緯を強調。一方で「(ロシア系が6割を占める)クリミアと、(ロシア系とウクライナ系が)50対50の東部・南部では民族構成が異なる」と説明し、軍事介入に慎重な姿勢も見せた。