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金融の歪みや不均衡ない、銀行は金利上昇に強い耐性=日銀金融機構局長 | Reuters

日銀の衛藤公洋金融機構局長は27日、ロイターのインタビューに応じ、昨年4月の量的・質的金融緩和(QQE)の導入から1年余りが経過したが、現段階で日本の金融システムに大きな歪みや不均衡があるとはみていないと述べた。


株価や地価などの上昇についても「予想や期待が経済実態から大きくかけ離れて強気化しているとはみていない」との見解を示した。


QQEでは、大規模な長期国債ETF(上場投資信託)などリスク性資産の買い入れによってポートフォリオ・リバランスを促すことを緩和効果の波及経路の1つと位置づけている。この間、金融機関は国債保有を減らす一方、貸出や株式などの有価証券投資を増やすなど「ポートフォリオ戦略を見直そうと動いている」とし、経済や企業活動がさらに活発化すれば「リバランスももっと広がりが出ると思う」と語った。


それでも地域金融機関を中心に国債保有残高は引き続き高水準にある。今後、長期金利が上昇した場合、経営への悪影響が懸念されるが、「金融機関の資本基盤は相応にしっかりしており、全体として金利上昇に対して強い耐性を備えている」と強調。景気回復を伴う金利上昇であれば、貸出増加や株価上昇などで「債券価値の下落を補って余りあるプラスの効果が期待できる」とした。景気が回復しない中で金利が上昇するケースでは金融機関経営に厳しい影響が及ぶとしたが、「自己資本比率が全体として規制水準を下回ることにはならないとみている」と指摘。「金利がどのような事情で上がったとしても、金融システムは相応に耐えられるというのが結論だ」と語った。


日銀によるQQEの推進もあって貸出金利は低下傾向が続いており、利ザヤ縮小など金融機関の基礎的な収益力の低下には歯止めがかかってない。衛藤局長は「低金利環境は、金融機関にとっては収益的に厳しい」としながらも、「企業からみると調達コストの低下というかたちで支えになっているのも事実」と指摘。まずは「企業部門を元気にしていくことが大事」と述べ、企業活動の活発化によって景気回復がより力強くなれば「貸出が増えて、利ザヤも改善していくことが期待される」との見解を示した。


人口減少に伴う地域経済の縮小が懸念される中、地域経済を地盤とする地域金融機関のビジネスモデルが問われているが、地銀再編について衛藤局長は「経営統合は有力な選択肢」としたが、「それぞれの地域経済にどう貢献していくのか。具体的な方法論や戦略を伴うものであることが重要だ」との前提を強調した。