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インタビュー:高まる金利急上昇リスク、物価2%はまだ先=みずほ総研・高田氏 | Reuters

みずほ総合研究所・チーフエコノミストの高田創氏は、日銀が国債を買い支え、その間に政府が財政再建を進め、金融機関が金利上昇に備えるという「猶予期間」に日本は入ったとの認識を示した。


また、物価2%という日銀の目標に到達すれば、金利が急上昇しかねず、その意味で「国債暴落局面」に入ったと指摘。目標達成は何年か先になるとしつつ、日銀が出口に向かうとの予想が強まる時が、市場の一番のリスクになると述べた。

  <ある意味で国債は暴落局面>


高田氏は、日銀が量的・質的金融緩和(QQE)で大量の国債を買い入れている現在の状況について、1940年代半ばから1951年における(米財務省と米連邦準備理事会の)アコード(締結)までの期間の米国と似たような環境だと指摘する。


具体的には景気が改善することなどによる金利急上昇を防ぐため、一定の「猶予期間」中は中央銀行国債を買い支え、その間に国債発行当局は財政再建を進め、国債保有する金融機関はある程度の金利上昇にも耐え得るようにポートフォリオリバランスをしていく状況だとの見方を示した。


高田氏は、猶予期間が何年になるかはわからないとしつつ、物価の水準が中央銀行のターゲットに到達するような局面では「名目金利が上がり、名目成長率が上がるので税収が増え、国債発行を減らすことができる。金融機関も貸出が伸び、ポートフォリオリバランスをしやすくなる。現在はそうした状態に向けて着々と進めているということだ。ある意味では(国債)暴落局面に入ったと思う」との見方を示した。


 <出口へ防御取っていない市場、日銀の対応が大事>


日銀の物価安定目標2%の達成時期については、2年間でいくとは楽観しておらず、達成時期は何年か先になるとの見通しを示した。日銀が出口に向かう時期については、先にテーパリングに入った米連邦準備理事会(FRB)も利上げ時期を具体的には明示しておらず、出口に向かうのが2番手、3番手となる日本が出口に向かうのは米国の後になるため、2、3年くらい先になるとの見方を示した。


一方で、消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)の上昇率が1.5%まで高まるなど、2%に近づいており、緩和一辺倒だった市場の期待が変わり、そろそろ出口に向かうと市場参加者が勘違いすれば、市場が混乱するおそれがあるとの見解を表明。日銀のメッセージの出し方が難しくなるとの見方を示した。


高田氏は「次の政策変更が追加緩和ではなく出口ではないか、日本版テーパリングではないか、という期待が強まるときが、市場にとっては一番のリスクではないか」と指摘。「追加緩和という可能性しか見ていない市場が、出口もありえると意識すると、巨額のポジション調整が必要となり、市場が大きく動いてしまう。今の市場参加者は(出口に対する)防御の姿勢を全く取っていない」と語った。


こうした状況にどう対応するかが日銀の腕の見せ所だとし、「(2%達成が)視野に入ったが出口は相当先です、というメッセージを与え続けるのか、コミュニケーションが難しくなる。本当に(物価目標達成が)近いのであれば、近いのでちゃんとポートフォリオをリバランスしてください、とか、政府に財政再建をきちんと進めてください、と伝えることになるのだろう」とした。


 <出口のタイミングは相当先>


日銀は大量に国債を買っているが、高田氏は「銀行全体でみればまだ(国債を)売れるだろう。それほど(銀行全体は)保有残高を減らしていない」と述べ、日銀がこの先も同じペースで緩和を続ける(国債を購入する)ことは可能との見方を示した。


日銀の出口戦略に関しては「米国のように新規で買うところを落としていくのだろう。米国は完全にバランスシートをゼロにする前にFFレートを上げることも考える、という方向のようだ。たぶん日本の場合もそれに近いのではないか。日本の場合はオーバーナイトの金利を上げることになるのだろう」と見通した。


出口のタイミングについては「市場が混乱しないようにするため、相当先になるだろう。2006年のときは早めにやり過ぎた、2000年のときは間違ってしまった。今回は日銀はそう焦らないと思う。物価が上がっても根気強く今の緩和を続ける、と表明せざるを得ないと思う」との見方を示した。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140613#1402656007