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ドラギ総裁の目的地は量的緩和−「道なき道」でも走り続ける - Bloomberg

ドイツのショイブレ財務相に言わせれば、欧州中央銀行(ECB)はもう終点に行き着いている。つまり、ドラギ総裁の前に進むべき道はもうない。


マルコム・バー、グレッグ・フゼジー氏らJPモルガン・チェースエコノミストらはしかし、ドラギ総裁の目的地は量的緩和(QE)ではないかと考えている。

JPモルガンのエコノミストらの見積もりによれば、ECBが国債購入を今年実施する確率は30%、来年については50%程度と低い。それでもドイツの政策当局者らが認めようとしない利点が、債券購入にはあると考えている。エコノミストらは8月29日のリポートで、次のような利点を指摘した。


−債券購入は域内のインフレ期待低下を防ぐ−ドイツ国債利回りにはあまり低下余地がないものの、購入によってスペインなど周辺国の借り入れコストは下がり、株や社債など他の資産の価格を押し上げることが可能−QEが大企業に資金調達の道を提供すれば、銀行融資や社債市場を中小企業が利用しやすくなる−QEは銀行が保有する国債の価値を高め資本調達を容易にし、バランスシートの一段の修復に役立つ−流動性の増加はユーロ安につながり輸出企業を支援する

ショイブレ財務相(71)はこれらのどれにも説得力があるとは考えない。「金融政策はその持てる手段の最後に行き着いた」とメルケル政権の財務相は先週のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。

確かに、慎重に対処すべき理由はある。そうでなければ、米国や英国のように、ECBは恐らくかなり前にQEを開始しただろう。ユーロ圏には単一の債券市場があるわけではないので、これが政治的な論争に加えて実践上の困難をもたらす。


また、国債利回りは既に過去最低付近にあり、ECBの資産購入がもたらす影響は限定的となる。銀行を通した間接金融への依存が大きく市場からの直接調達の割合が低いことも効果を殺ぐ。また、資産購入で圧力が和らげば、政府が経済改革努力の手を緩めるリスクもある。ドイツ連邦銀行(中銀)のバイトマン総裁はかねてから、資産購入に付随するリスクを指摘している。


しかし、インフレ期待の低下とデフレの脅威を懸念するドラギ総裁は闘いを再開する。総裁は「政策姿勢を一段と調整する用意がある」と表明済みだ。ECBは4日に政策委員会を開く。