先月20日の広島市の土砂災害では、避難勧告の発表が災害の発生に間に合いませんでした。広島市では、土砂災害が予想される場合、通常、各区の区長や副区長が避難勧告の判断をすることになっていて、今回、特に被害が大きかった安佐南区の倉石雅基副区長がNHKのインタビューに応じました。
この中で、倉石副区長は、避難勧告の発表が災害発生後の午前4時半になったことについて、「どしゃ降りの雨が降り、真夜中で真っ暗な中、住民を避難させることに迷いと焦りがあった」と述べ、住民が逆に被害に遭う事態を恐れて避難勧告の発表をちゅうちょしたことを明らかにしました。また、倉石副区長は、避難勧告を発表した時点で、緊急に呼び出した区の職員の半数程度しか登庁していなかったことを明らかにしました。
そのうえで、「大雨でタクシーが拾えなかったり、途中で身動きができなくなったりした職員もいたため集まるのが遅れた。職員の絶対数が足りなかったので避難所を開ける準備が十分できず、いろいろな面で影響はあった」と述べ、職員の登庁の遅れも避難勧告発表の遅れにつながったことを認めました。