岬から1キロほど離れた海岸に、「御厨人窟 (みくろど) 」という海食洞穴があります。
この洞穴にこもり、虚空蔵菩薩への祈りを唱え続けていた真魚の口に、ある日突然“光り”が飛び込みました。
「光り」が入ったときに、空海は“悟った”のでした。求聞持法を会得し、無限の智恵を手に入れたのです。
求聞持法会得に至るまで、空海は四国のけわしい山々で修行をするのですが、
このとき修行したといわれるところが、「四国八十八ヶ所」のお寺になりました。
弘法大師空海は、その虚空の空間に入ると「五大に響きあり、十界に言語を具す(物質と精神には響きがあって、それぞれに言葉を用意している。声字実相義)」と述べています。
「創造の波動として、宇宙に鳴り響いている宇宙原音に意識を合わせた行者は、その音を直ちに自分の理解できる言葉として聞くことが出来る」と述べています。
「時に一沙門有り。虚空蔵求聞持法を呈示す。其の経に説く。若し人法に依りて此真言一百萬遍を読めば、即ち一切経法の文義の暗記を得ん。是に於て大聖の誠言を信じ、飛焔を鑽燧に望み、阿波國大瀧之獄にはんせいし、土佐國室戸之崎に勤念す。幽谷は聲に応じ、明星は影を来す。」
宇宙にはアオウエイの五大父音が間断なくなり響いて居るが、人々が発する正しからざる言霊によつては之が濁るのであるから、常に天津祝詞を奏上して音律の調節を行ふのである。