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中国外相 「一帯一路」理念は共同発展 NHKニュース

中国の王毅外相は、北京で開かれている全人代に合わせて、日本時間の8日午前11時から記者会見をしています。
この中で、王外相は、習近平指導部が「一帯一路」と呼んで、アジアからヨーロッパに至る巨大な経済圏を、陸上と海上に建設しようという構想について、中国の政治や軍事的な利益を追求するのがねらいではないかという外国メディアの質問に対し、「一帯一路の理念は共同発展であり、目標としているのはウィンウィンである。
中国の『独奏曲』ではなく、各国が共同で参加する『交響楽』である」と述べて、中国だけの利益を追求するものでないという考えを強調しました。
また、ことしが戦後70年に当たることに関連して、王外相は「われわれは国際社会とともに、反ファシズム戦争勝利70年の記念行事を行い、中国は平和を守る強大な力となる」と述べて、第2次世界大戦の勝利の成果を強調する記念行事を、ロシアと連携して行う方針を明らかにしました。

「一帯一路」は、東西をつなぐ新たなシルクロードを陸上と海上で建設するという中国が提唱する構想です。
この構想は、陸上において中国からユーラシア大陸を通りヨーロッパまでを結ぶとしているほか、海上では東南アジアからアフリカ、それにヨーロッパの港をつなぎ物流ルートを整備するなどして、巨大な経済圏をつくり上げるというものです。
中国は「一帯一路」構想をおととし国家戦略として位置づけ、去年は習近平国家主席李克強首相が経済圏に含む国を相次いで訪問し、高速鉄道の建設をはじめ中国による投資の拡大を表明するなど、実現に向けた取り組みを活発化させています。
中国は、この構想を実現するため去年、インフラ整備や資源開発などに中長期的な投資を行う「シルクロード基金」を400億ドルを出資して独自に設立したほか、中国が主導し、関係国にインフラ整備などの資金を提供する国際金融機関「AIIB=アジアインフラ投資銀行」の設立を呼びかけるなどしています。
「一帯一路」構想が目指す経済圏の人口はおよそ44億人、GDP=国内総生産の合計は21兆ドルに上ると言われています。
中国は、巨大な経済圏が実現すれば、経済成長が減速するなかで、国内で過剰に生産した製品の販売先となるほか、中国の企業に多くの投資の機会をもたらすと期待しています。

中国外相「日本は再び良識を失うな」 NHKニュース

中国の王毅外相は、北京で開かれている全人代に合わせて記者会見を行い、戦後70年となることし、中国が北京で行う軍事パレードに安倍総理大臣を招待するかどうか、日本メディアの質問を受け「関係するすべての国の指導者を招待し、誠意さえあれば誰であれ歓迎する」と述べるにとどめました。
そのうえで、「70年前、戦争に負けた日本が、70年後に再び良識を失うべきではない。歴史の重荷を背負い続けるのか、過去を断ち切るのか、最終的には日本が選択することだ」と述べました。
中国政府は、安倍総理大臣がことし発表する新たな「総理大臣談話」の内容を注視しており、王外相の発言は、過去の植民地支配と侵略に対し、痛切な反省を表明したいわゆる「村山談話」などを踏襲するよう、日本を強くけん制したものとみられます。
また王毅外相は、フィリピンなどと領有権を争う南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で中国が浅瀬の埋め立て工事を進めていることについて、「自分の庭に建てているものに、とやかく言われる筋合いはない」と述べて、正当で合法な行為だと強調しました。
領有権を争うフィリピンなどは、中国が滑走路などを整備して軍事拠点を構築しようとしているのではないかとみて、警戒を強めています。

中国はこれまでも、戦後70年に絡めて繰り返し日本をけん制しています。王毅外相は先月23日にも、国連の安全保障理事会で「ファシズムとの戦いの歴史が明らかであるのに、今なおその事実を受け入れず過去の侵略の罪を認めない者がいる」と述べ、名指しはしなかったものの日本をけん制しました。
また、安倍総理大臣が戦後70年のことし、「総理大臣談話」を発表することに関連して、中国の高官は今月2日に開かれた記者会見で、「日本の現職の指導者を含め政界の大部分の人が、ドイツ人の指導者のようにしっかりと反省し、真摯(しんし)に謝罪したことはない」と批判し、これまでの総理大臣談話で言及してきた「過去の植民地支配と侵略」を認めるよう迫りました。
さらに、李克強首相は今月5日、中国の向こう1年の重要政策を話し合う全人代全国人民代表大会で、「世界反ファシズム戦争と中国の抗日戦争勝利70年を記念する行事を開催し、国際社会とともに第2次世界大戦の勝利の成果と世界の公平、正義を守る」と述べました。
一方、李首相は、去年は言及しなかった日本、韓国とのFTA=自由貿易協定について「締結に向けた交渉を急ぐ」という方針を表明し、日本との経済分野の連携を進めていく考えを示しました。

およそ2年半ぶりとなる日中首脳会談が去年11月に開かれたことを受けて、日中関係が改善に向かうかどうかに注目が集まっています。
すでに政府間の往来も徐々に再開していて、今月下旬には両国の外務・防衛当局の高官による「日中安保対話」を開く方向で調整が続けられています。
また、5月には日本企業の幹部や地方自治体の関係者らおよそ3000人からなる「日中観光文化交流団」が訪中する計画が進んでいて、官民のさまざまなレベルで関係改善に向けた動きが活発化しています。
しかし、沖縄県尖閣諸島を巡っては、日本側が「領土問題が存在しないという立場は変わっていない」としているのに対して、中国側は島の周辺の海域に船を出して領海侵犯を繰り返しており、海洋当局どうしのにらみ合いは依然として続いています。また、安倍総理大臣が戦後70年のことし、「総理大臣談話」を発表することに関連して、中国の高官は今月開かれた記者会見で、「日本の現職の指導者は、真摯(しんし)に謝罪したことがない」と批判し、これまでの総理大臣談話で言及してきた「過去の植民地支配と侵略」を認めるよう迫った形です。
さらに、ことしを抗日戦争勝利70年と位置づける中国政府は、年内に北京で外国の要人らを招いて軍事パレードや記念行事を盛大に行うと発表しました。
共産党による一党支配の正統性を国民にアピールするために、中国は今後も歴史認識を巡って日本をけん制していくことが予想され、首脳会談で始まった関係改善の流れが確かなものになるかどうかは、まだ見通せない状況です。