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土星の衛星に”生命に必要な3要素” NHKニュース

土星の第2の衛星であるエンケラドスは、直径が500キロメートルある氷に覆われた天体で、地下に広大な海が存在し、塩分や二酸化炭素、有機物が含まれた海水が地表の割れ目から噴き出していることが分かっています。
このエンケラドスについて、東京大学大学院と海洋研究開発機構などの研究グループは、NASAアメリカ航空宇宙局などの探査機「カッシーニ」から得られたデータを基に環境を詳しく調べました。
その結果、地表から噴き出している海水には、主に二酸化ケイ素からなるナノシリカという微粒子が含まれていることが分かったということです。
このナノシリカという微粒子は、海の底から弱いアルカリ性で摂氏90度以上の海水が出ていないとできないということで、エンケラドスの海底には、原始的な微生物を育む熱水が沸きだしていることが分かったということです。
これで、エンケラドスには水と有機物、それにエネルギーである熱という生命に必要な3つの要素がすべてそろっていることになり、研究グループは、現在もこうした環境にあるのが明らかになったのは地球以外ではエンケラドスが初めてだとしています。
研究に当たった東京大学大学院の関根康人准教授は、「地球の海の底には、太陽に依存せず地熱エネルギーに支えられた生命が存在しているが、遠く離れた星にも地球と同じような生命がいる可能性があることを実証できた。今後は生命が本当にいるのか、その形跡があるのか探りたい」と話しています。
この研究結果は、日本時間の12日に発行されるイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載されます。

土星は、太陽からおよそ14億キロメートル離れた太陽系第6の惑星で、直径は地球の9倍ほどの12万キロメートルと、木星に次いで2番目の大きさです。
この土星の周りを周回する衛星は、これまでに60余りが確認されていて、今回研究結果が発表されたエンケラドスのほか、タイタンやレアなどがあります。
土星に向けては、パイオニアボイジャーなどこれまでに数機の探査機が打ち上げられ、今回、観測データが使われたカッシーニは、今から18年前の1997年にアメリカのフロリダ州から打ち上げられました。
土星の周りを周回する軌道には、打ち上げから7年後の2004年に入り、これまでに、土星の輪が活発に活動していることや、最も大きなタイタンという衛星に川や湖があったことなどを明らかにしてきました。