これは、国連の内部監査部がまとめた報告書の草案の中で明らかになったものです。
ロイター通信などによりますと、報告書は、アフリカなどに展開するＰＫＯの隊員が地元の女性に対して、現金や衣服、装飾品などを提供する見返りに性的な関係を持つなどのケースが、２００８年から２０１３年までの６年間で４８０件に上ったとしています。とりわけアフリカのリベリアやカリブ海の島国ハイチなどでは、飢餓や貧困に苦しむ女性たちが暮らしを上向かせるために要求に応じざるをえない状況にあると指摘し、弱者を保護するはずのＰＫＯ隊員が逆に弱者を搾取している実態を非難しています。
ＰＫＯ隊員によるこうした行為は以前から問題視され、国連ではＰＫＯへの信頼を揺るがすものだとして、２００３年に全面的に禁止する規則を設けました。
国連のデュジャリック報道官は１１日の記者会見で、「性的な暴行や搾取に関わった隊員は、必ず関係国によって処罰されなければならない。支援物資や金品と引き換えに性的な関係を迫ることは、国連の規則の重大な違反だ」と述べ、国連としても厳格に対処していく姿勢を強調しました。
