世界の軍事情勢を分析しているスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が15日発表した統計によりますと、世界の核弾頭の数はことし1月の時点で1万5850発と推計され、去年よりおよそ500発減少したということです。
これは、ロシアとアメリカの保有数が核弾頭などを削減する2国間の軍縮条約に基づいて減少したことが主な要因ですが、10年前と比べて減少のペースは遅くなっていると指摘しています。
また、NPT=核拡散防止条約に加盟するほかの核保有国のうち、イギリスでは10発減り、フランスは前年並みだった一方、中国では10発増えたとしています。
一方、NPTに加盟していないイスラエル、インド、パキスタンは80発から120発を保有して前年並みで、北朝鮮は6発から8発を保有していると推計しています。
ストックホルム国際平和研究所は「インドやパキスタンでは核物質の製造能力が拡大している一方で、中国は小型化により弾頭数が増えている。核保有国はこうした高度化も進めており、近い将来、核が放棄されることはないことを示している」とコメントしています。