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中国「国家安全法」 香港に規制強化促す NHKニュース

中国の「国家安全法」は、1日に開かれた全人代全国人民代表大会の常務委員会で、賛成多数で可決・成立しました。
この法律では、「国家の主権と統一を守ることは、香港を含む、すべての中国人に共通の義務だ」とされ、「香港特別行政区は、国家の安全を守る責任を果たさなければならない」と定められています。
香港では、中国政府の転覆を図る活動や、香港と外国の政治色のある団体どうしが関係を持つことなどを禁じる条例を制定するよう義務づけられていますが、香港政府が2003年に出した条例案は、市民のデモによって撤回に追い込まれました。
香港では去年、行政長官選挙の制度改革に反対する民主派が抗議活動を起こすなど、大規模なデモなどがしばしば行われ、中国政府は「外国の勢力が支持している」と、神経をとがらせています。
「国家安全法」の成立は、条例の制定を急いで、デモや抗議活動を起こす民主派に対する規制を強めるよう、香港政府に促した形となっています。

中国で1日、成立した「国家安全法」は、軍事や治安だけでなく、経済、文化、科学技術など、幅広い分野で国家の安全や利益を守るよう定めたものです。
「国家安全法」は、習近平指導部が国際的な安全保障環境と国内の政治・社会情勢が日増しに厳しくなっているという認識のもと、制定を急いでいたもので、1日開かれた全人代全国人民代表大会の常務委員会で賛成多数で可決・成立し、施行されました。
法律では、「国家の安全とは、政権や主権や領土の一体性のほか、国民の幸福や経済・社会の持続可能な発展などが、内外の脅威にさらされていない状態を指す」と定義しています。そして、軍事や治安だけでなく、経済、文化、科学技術など、幅広い分野で国家の安全や利益を守るよう定めています。
このうち経済では、重点産業や重大インフラの安全を保障することや、金融リスクの防備を万全にすることなどを挙げています。
また、文化では、「不良な文化の影響を防ぎ食い止め、イデオロギー分野の主導権を握る」などとして、人権や民主主義といった価値観の浸透を警戒しています。
さらに、チベット自治区新疆ウイグル自治区を巡る問題が深刻化するなか、「民族分裂活動や宗教の名目で、国家の安全を脅かす違法な犯罪活動は阻止し、法に基づいて処罰する」などとしています。
さらに、「サイバー空間の主権と安全を守る」としているほか、宇宙空間や海底、北極や南極でも「わが国の活動や資産などの安全を守る」と定めています。
このほか、香港問題についての規定も盛り込まれ、「香港特別行政区は、国家の安全を守る責任を果たさなければならない」としています。
1日に記者会見した全人代の委員は、「香港政府は、国家の安全を守る条例をみずから進んで制定すべきだ」と説明しました。香港の憲法に当たる「基本法」は、中国政府の転覆を謀る活動や、香港と外国の政治色のある団体どうしが関係を持つことを禁じる条例の制定を義務づけていて、香港政府は2003年に条例案を作りましたが、大規模な市民デモによって撤回に追い込まれました。
香港ではそのあとも、民主派や市民による抗議活動がしばしば行われ、中国政府は「外国の勢力が支持している」と神経をとがらせていて、香港の責任を明記した新法の成立は、条例の制定を急いで、民主派に対する規制を強めるよう香港政府に促した形となっています。

中国で1日、「香港は国家の安全を守る責任を果たさなければならない」と定めた「国家安全法」が成立したことについて、香港トップの梁振英行政長官は、「香港は中国の一部であり、国家の安全を守る責任と義務がある」と述べ、香港政府としても関連の条例を制定する必要があるとの考えを示しました。ただ、条例制定については、梁長官は「計画はない」と述べ、今のところ具体的な見通しは立っていないとしています。
香港では2003年に、中国政府の転覆を謀る活動などを禁じる香港政府の条例案が、市民の大規模なデモによって撤回に追い込まれた経緯があります。
一方、1日午後行われた、民主派の市民や学生らによるデモ行進では、「国家安全法」の成立に対し、「中国からの圧力だ」などと反発の声が上がりました。
参加した22歳の男子大学生は、「強い反感を感じます。民族主義を用いて私たちの思想を押しつぶそうとしていて、非常に危険です」などと話していました。
中国は、「国家安全法」の成立で、香港政府に条例の制定を急いで民主派に対する規制を強めるよう促した形ですが、香港では民主派を中心に反発は根強く、実際に条例が制定できるかは不透明な情勢です。