オバマ大統領は6日、国防総省を訪れ、カーター国防長官やアメリカ軍のデンプシー統合参謀本部議長らと会合を開き、ISへの対策を巡る最新情勢について報告を受けました。
このあと、オバマ大統領は記者会見し、アメリカ軍が率いる有志連合は「5000回を超える空爆を行い、ISの幹部を含む何千人もの戦闘員を殺害した」として、これまでの成果を強調しました。
一方で、オバマ大統領は「ISは罪のない市民の間に潜んでおり、一掃するには時間がかかるだろう」と指摘しました。
そのうえで、「地上に効果的なパートナーがいれば、ISを後退させられる」と述べ、シリアのISの拠点を狙った空爆を強化するとともに、地上で戦うシリアの穏健派の反政府勢力への訓練を急ぐ方針を強調しました。
有志連合はISが「首都」と位置づけるシリアのラッカ周辺で空爆を実施していて、アメリカとしてはISに対する空爆開始から1年となるのを前に攻勢を強めたい考えです。
米国内の「イスラム国」攻撃を阻止へ、オバマ大統領が対策強化 | Reuters
オバマ米大統領は6日、過激派組織「イスラム国」による米国内での攻撃を阻止する必要があるとの考えを示した。また、シリアの反体制勢力のうち穏健派への支援を強化すると表明した。
国防総省を訪れたオバマ大統領は、2001年の同時多発攻撃以降、米国内での大規模攻撃は阻止できているものの、「ローンウルフ」と呼ばれる一匹狼型の小規模な攻撃を食い止めることは難しいとの認識を示した。
また、「イスラム国」に米国で人材勧誘させない対策も必要だと指摘。過激派への対策がイスラム教徒や他の宗教団体への差別につながってはいけないとしながらも、「イスラム国」がイスラム系のコミュニティーを狙って人材を集めているとの懸念も示した。