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中谷防衛相「相手に攻撃の意思がなくても、自衛権行使できる」安保法制の危険な本質が露呈!|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

 安倍首相はこんな説明をしたが、このたとえ話について緒方議員はおかしいところがあるとして、こう質問した。


「この例で、ちょっとおかしいんじゃないかと思うところがございまして、『アベは生意気な奴だから今度殴ってやる』という意思を持っているだけなんですね。意思を持っているだけであります。これだけで、存立危機事態が生じるというふうに思われますか?」


 意思を持っているだけで、実際に攻撃したわけではないのに、存立危機事態が生じることになるのかと問われた中谷防衛相は、


「存立事態の認定におきましては、意思とか対応とか、位置とか規模とか、類似要素を説明しておりまして、それらの要素をすべて総合的に判断して、合理的に判断をするということでございます」


 と答弁。つまり相手国が意思を持っている(と日本が認定する)だけで、実際に武力攻撃を受けていなくても自衛権を行使できる、と。


「存立危機事態のケースで、武力攻撃を仕掛けてくる国が、意思を持っているだけで、存立危機事態の要件となりますでしょうか?」


 と緒方議員は重ねて質問したのだが、中谷は「総合的に判断する」と答え、これを否定しなかった。

緒方「もうひとつ、最後に、これは存立危機事態の例との関係で非常に重要ですが、『アベは生意気だから今度殴ってやる』というその意図表明がないケースは? その意図表明がまったくない。そのケースであれば、アベさんとアソーさんが一緒に歩いていて、アソーさんが殴られるとき。そのとき、私もアソーさんを守ることはできないということだと思いますけども、大臣、これ存立危機事態の例となぞらえてどうでしょうか?」


 相手国に攻撃の意図表明がない場合について質問された中谷防衛相は、なんとこう答弁したのだ。


「以前に言葉にしたと思いますけれども、意思がない場合においても存立危機事態になりうるということはできる。可能であるということでございます」


 相手国に攻撃の意思がなくても、存立危機事態になりうる。耳を疑ったのか、緒方議員はもう一度問う。


緒方「意思がまったくなくて。ということは、実際に我が国に武力攻撃が起こってくる可能性が、なぞらえてみるとですね、ないということだと思うんですよね。我が国に攻撃をする意思を相手が持っていない。しかも、意思がないということはおそらく準備行為もないでしょう。
(中略)どこに我が国の存立を脅かし、そして、我が国の国民の生命、自由、そして幸福追求の権利が根底から覆されるような事態というのは存在しないんじゃないですか? 大臣、相手がその意思をまったく持ってないときでも存立危機事態は認定しうるというのは、それはどういうことですか?」


中谷「攻撃国の意思として、我が国に対する武力攻撃の意思の有無は、まあ考慮はされますが、攻撃国の我が国を攻撃する意図が認定できなかったとしても、攻撃力の意思、能力、発生場所、規模、対応推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性や国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性があると判断すれば、存立危機事態に認定をするわけでございます」


 中谷防衛相は、総合的に判断するというエクスキューズはつけながら、再度断言したのである。「攻撃国が日本を攻撃する意図が認定できなかったとしても、存立危機事態になりうる」と。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150709#1436438352