この中で、内閣府は、経済成長率について、物価の変動を除いた実質で、今年度、平成27年度は1.5%程度、来年度は今年度を0.2ポイント上回る1.7%程度となる見通しを示したうえで、経済が順調に成長を続けることを前提に、再来年4月に予定どおり消費税率を10%に引き上げた場合の中長期の財政状況の試算を示しました。
それによりますと、財政健全化の指標とされる「基礎的財政収支」は、国と地方を合わせると、今年度は15兆4000億円程度の赤字となり、2010年度に比べて赤字を半減できるという目標は達成できるものの、黒字化を目指す5年後の2020年度には6兆2000億円程度の赤字になると試算しています。
2020年度の「基礎的財政収支」は、企業業績の改善による税収の増加や歳出の抑制を見込んだことで、ことし2月段階の試算と比べて3兆2000億円程度縮小していますが、目標とする黒字化の達成にはほど遠く、仮に改革が進まず、高い経済成長が実現しなかった場合には、赤字額が11兆9000億円に膨らむと試算しています。
これを受けて安倍総理大臣は、「来年度においても、着実なデフレ脱却、経済再生に向けて取り組むとともに、基礎的財政収支の改善を実現していくことが重要だ」と述べ、来年度予算案の編成にあたっては、歳出改革にも積極的に取り組むよう、関係閣僚に指示しました。