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FOMC議事録にだまされるな、元当局者が明かす作成舞台裏 - Bloomberg

飢えたオオカミの一群に与えられた新鮮な肉切れのごとく、6週間ごとに公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録には中央銀行ウオッチャーが群がる。


議事録はFOMC開催から3週間後に公表される。一見したところは当局の重要な動きに先行する全く率直な記録のように見える。だが、議事録作成に携わったことのある元当局者らは、だまされてはいけないと警告する。


19日に公表される議事録から2006年以来初となる利上げのタイミングの手掛かりを探すには、鋭い目と政策の暗号解読機のようなものが必要だ。それでも全容はつかめないかもしれない。幾つかの重要な詳細部分は5年後の全記録公表でしか明らかにならず、その他の手掛かりは読み違えられやすい。


米連邦準備制度理事会FRB)のエコノミストとして2年近くにわたり議事録編集に携わった経歴を持つ米ピーターソン国際経済研究所のジョゼフ・ガニオン上級研究員は「このゲームをするつもりなら定期的に読む必要がある。そうすれば誤解する可能性は低くなる」と語った。


全ては盛り込まれず


2日間の審議での全ての発言が記録に残るわけではないことを知ることも有用だ。議事録はまず、少人数のFRBスタッフが初稿を準備し、FOMC後の週後半に議長の点検を経てFOMC当局者全員に配布される。修正や補足の提案を受けて第二稿が翌週にまとめられ、議事録公表前日の正午までに最終的な承認を求める流れとなっている。ただ時には、特定のコメントについて議事録採用に十分な重要性があるか意見の相違が浮上することもあり、議長が最終的な判断を下す。


02年から10年に議事録準備に参加したコーナーストーン・マクロのパートナー、ロバート・ペルリ氏は「本当のところ、ほとんど全員がある時点で1つか2つについて不満を持っている」と語った。


議事録の重要性が年を追って高まっている背景には内容が徐々に詳細になったことがある。最大の変化は04年末にFOMCが議事録公表までの期間を3週間に短縮したことで、これによって次回会合の前に内容が明かされることになった。
コーン元FRB副議長は「05年から全てが大きく変化した。次回FOMCで何が起きるか、委員会がどの方向に進んでいたのかに関する人々の見方に影響をもたらした」と指摘した。


コード解読


エコノミストやマネーマネジャー、ジャーナリストは議事録に記されたあらゆる発言を注意深く調べて当局者の考え方を探るが、幾つかの言葉にはより大きな意味がある。


例えば、話者の微妙なランク付けがそうだ。FOMCの出席者は「participant(参加者)」で、政策決定のための投票権を持つ人たちだけが「Member(メンバー)」と称される。メンバーにはFRB議長をはじめとする理事らとニューヨーク連銀総裁のほか、輪番制で地区連銀総裁4人が含まれる。
議事録にはまた、参加者やメンバーの何人が特定の見解を支持したかを表す大まかな目安となる集計用語があり、これらには厳密な順位付けがある。例えば「Many(多くの)」は「Several(幾人かの)」よりも多いが、「Most(大部分の)」より少ない。


コーン氏はこれも誤解を招き得ると指摘する。同氏は「誰もがあらゆる論点について話すことができるわけではない」と述べ、「a few (数人)」が何かを発言したと記されていても、同意見でない人が他に多くいることを意味するわけではない点に言及した。

The Dark Art of Decoding FOMC Minutes in Age of Fed Transparency - Bloomberg Business


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