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Amazon.co.jp: パンセ(上) (岩波文庫)の 花は紅さんのレビュー

 仕切り直しであらたに塩川徹也先生に『パンセ』の翻訳をお願いしたのが2000年のこと。こうしてようやく刊行にこぎつけることができ、担当編集者のよろこびもひとしおです。じつに15年もかかりました。今回刊行するのはパスカル研究に長年打ち込まれてきた第一人者によるライフワークとも言うべき翻訳です。現在考えられる最良の訳者による最新訳で、ぜひ多くの方たちに『パンセ』を読んでいただければと願っています。
 刊行までにこれだけ時間がかかった最大の理由は翻訳の底本をどうするかという難問があったためです。『パンセ』はパスカルが生前に刊行した本ではありません。また、形のまとまった原稿が残されていたわけでもありません。パスカルが無数に書き残した雑多な大小の文章を、さまざまな編者がそれぞれの仕方で編んだカギカッコつきの〈本〉なのです。パスカルの没後、これまでに多数の異なる編者による『パンセ』が刊行されてきました。日本の多くの読者がこれまで親しんできた『パンセ』はブランシュヴィック版『パンセ』です。これはテーマ別に編集された版で、編者が断章の順序をかなり大胆に整理して自由に並べたものでした。確かに読みやすい編集にはなっているのですが、パスカルの構想とか意向を忠実に反映しているのかといえば、その点では留保をつけざるをえないものです。ところで、なぜ配列や順序がそれほど問題にされるのでしょうか。それは、文章には文脈があるからです。どういう順番で並んでいるかで、それぞれの文の意味まで変わってしまうためです。

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