ロシアのプーチン大統領は４日、極東のウラジオストクで初めて開かれた「東方経済フォーラム」に出席し中国の汪洋副首相や、日本、韓国などアジア太平洋諸国の企業の代表らを前に演説しました。
この中で、プーチン大統領は「ロシア極東は協力を望む人たちに対して開かれている」と述べました。そのうえで、ウラジオストク周辺の港を自由貿易港にして税制面での優遇やビザ取得の簡素化を図るほか、極東地域に１０か所余りの経済特区を設置する方針を示し、投資を呼びかけました。
さらに極東地域を「エネルギーの懸け橋」として、ロシア産の石油やガスをアジア太平洋諸国へ輸出する拠点とするほか、シベリア鉄道や北極海航路を使って、アジアとヨーロッパを結ぶ物流ルートとして開発する考えを強調しました。
プーチン大統領にはウクライナ情勢を巡って欧米との対立を深め、さらに原油価格の下落で経済の低迷が続くなか、アジア太平洋諸国との経済関係を強化して、国際的な孤立を避けるねらいがあるものとみられます。
